128 :鬼女の秘密 2019/09/17(火) 00:59:49 ID:HDA
近所の家に夏ミカンの木があって、食用でなく鑑賞用の庭木なので
花が咲いた時は爽やかな香りがあたりに漂うが、実はなってもほったらかし
その家の奥さんとは顔見知りなのだが
ある日通りかかったら奥さんが実をもいでいて、挨拶したら
「あら(私)さん、ほっておいて腐らせるよりはと思って収穫してたんだけど
よろしかったらいくつかいかが? でも手をかけてないからまずいわよ(笑)」
「面白そうだからいただきます」
家で食べてみたら、無農薬だが肥料も剪定も何もしてないからほんとにまずい
しかしせっかくいただいたからと、砂糖をぶち込んでマーマレードを作ってみた
500mlの瓶に6つもできてしまったが、しかしこれまたストレートにまずい
開けた一瓶はヨーグルトを混ぜてゼラチンで固めて無理やり消費した

残り5瓶は、どうしようと思いつついつしか忘れて、食器棚の奥で数年経過
ある時ふと思い出して出してみると
きっちり杀殳菌・脱気したから外から見て悪くなっているようにも見えない
思い切って捨てようと思ったが、なんか愛着がわいて一瓶開けて食べてみた

あれ?
おいしいとは言えないが、まあまあ食べられるぞ
まずさがトゲトゲしなくなって、砂糖や果汁にくるまれて丸くなったというか
全体に落ち着いてまろやかになっていて
これはこれでありかな、という味になっていた
結局、残り5瓶は普通にマーマレードとして食べ終わった
そうか保存食って、ただ長期間保存できるだけでなく
熟成を待つものもあるんだなと改めて思った
捨てなくてよかった