369 :鬼女の秘密 2020/01/06(月) 12:22:40 ID:???
とても長くなってしまったけど書かせてね。

昔、爺の親友が事故で亡くなって遺された一粒種の男の子をうちで育てたの。
その辺りの事情は長くなるし、身バレも困るので割愛するけど
すでに6歳になってたから本人も事情は大体分かってて、
でも亡くなった親友と共によくうちに遊びに来てたから、うちの生活に慣れるのは早かったの。
本当は養子にしたかったのだけど母親が養子にすることだけは了承しなかった。
うちには子供がいなかったから、子育てについて戸惑うことも多くて
どう対応していいのか分からない時もあったけど
婆と爺の双方の両親も孫として接してくれたし、
友人たちも協力してくれたし、色々教えてもらいながら頑張って育てた。
でも普段明るくて良い子なのが、時々暗い目になることがあって
それがすごく気になったりもしたわ。
一年も一緒に暮らすと、もう我が子にしか思えなくなって可愛くて可愛くて
いつか母親が迎えにくるかも知れないと思うと不安で震えることもあった。
で、息子(と書かせてね)が高2の時に転換期があったのよ。
ある日息子が「卒業したら就職する」って。
それに対して爺は「学力は十分あるんだから大学は行った方がいい。
行きなさい。お金の心配は要らないから」って言ったんだ。
お金の心配してるのは黙ってても分かったから。
もっと早く言ってあげたら良かったと反省したわ。
こっちは我が子として育ててるつもりだったから学費は用意してたの。
そしてこの時に息子が思いのたけを話してくれたのよね。

子供の頃、父親と一緒にうちに遊びに来てたころ
お母さん(婆)が作ってくれるごはんが美味しくて
いつもこんなの食べられたらいいなぁって思ってた。
そしたらお父さんがタヒんじゃって、お母さんに捨てられて
罰が当たったってずっと思ってた。
中学の時に新しい家(婆たちのマイホーム。それまでアパート暮らしだった)が建った時
僕の部屋があって嬉しくて泣いた。
ちゃんと僕を息子だと思ってくれたんだって。
でも大学に行きたいってのはどうしても言えなかったって。
奨学金を借りてってことも考えたけど、自分みたいな境遇が
ちゃんと就職できるかどうかも分からないし、
払えなくなったら婆たちに迷惑掛けるしと思ってたって。