126 :鬼女の秘密 2012/07/01(日) 19:43:18 ID:su/lBwW7

あんまり大したこともないんだけど、あとで修羅場だったとわかった修羅場。

もう二十年以上前の、私が小学校低学年だった頃の話。
父には年の離れた弟がいて、私も弟もおじさんの事がお兄さんみたいな感じで大好きだった。

ある晩、夜中にトイレに起きたら、なぜか茶の間におじさんと寝間着姿の両親がいて、
低い声でなにか話し合っていた。おじさんは無精髭が伸びていて、すごく怖い顔をしていた。
大人の話を邪魔すると怒られるので、私は「いらっしゃい」と挨拶だけして部屋に戻った。
だけど両親たちの話が気になったので、襖を少しだけ開けて、こっそり聞いていた。
おじさんが低い声でなにか叫んだ。
父の声。「おい、そげなもん、しまえ!」
続いて母の声。「○○(おじさんの名前)さん、そんなことしたらいけんよ!いけんよ!」
その後も低い声で言い争いは続いた。
声の調子から只事じゃないのはわかったが、子供なんでいつの間にか眠ってしまった。
でも翌朝、父も母も何も言わなかったから「もしかして夢だったかも?」ぐらいに思っていた。

おじさんは近所に住んでいて、よくうちに晩御飯を食べに来ていたけど、その晩からは
なぜかうちに顔を出すことはなくなった。

おじさんがどういう状況なのかわかったのは、それから1ヶ月ぐらいしてから。
当時のテレビで、警察の指名手配犯の写真と名前を流す5分ぐらいの番組をやっていて、
ある土曜日に母と私と弟でお昼を食べていたら、テレビの画面ににっこり笑ってる
おじさんの顔と、名前がドーンと…。

おじさんは893みたいな悪い仲間と銀行強盗をやらかして、指名手配されていた。
その事件は地元の新聞にも結構大きく報道されていて、私も読んだ覚えがあった。