16 :鬼女の秘密 2017/02/27(月) 11:08:26 ID:iGP
大学生のとき、教授(当時50代前半)に恋をしていた
教授は既婚者だし倍以上年上だしで、相手にされる要素はまったくなかったけど
なんとか振り向いてほしくて一生懸命勉強して、学会のお供をさせてもらえるくらいにはなった

教授のお気に入りポジションを獲得した頃、教授から自宅に呼んでもらった
「家にある蔵書を見においで」ということだったけど、いつもだったらわざわざ自宅に呼ばずに
学校で本を渡してもらうだけだったから、きっと特別な意味があるに違いない!と舞い上がった

自宅にお邪魔したら、奥さんと息子さん(私より10歳上で別の大学の講師)に紹介された
奥さんがニコニコして「ぜひ夕食も食べていって」と言ってくれて、罪悪感を覚えた
びびりながら教授の蔵書を見せていただいていたら、同じ分野を研究している息子さんも来た
息子さんと色々話しながら本を見ていたら、いつの間にか教授が消えていて2人きりになっていた

そこで初めて教授の真意に気づいた
教授は日頃、息子に出会いがなくて~と嘆いていたんだ
そうか、教授は私なんか相手にしてなくて、息子にあてがおうとしてるんだ
それが普通なんだよね、きっと
だけど息子さんと結婚したら、教授とは家族になれるんじゃ?
これはチャンスじゃないの??

と脳内で激しくこじらせながら、奥様に呼ばれて夕食の席についた
その日はすき焼きだったんだけど、奥さんが息子さんにお肉をとってお皿に入れてあげていた
息子さんが「玉子がうまくとけてないよー」と文句を言って、奥さんが自分の皿と交換してやった
その後も息子さんの食事は、全部奥さんが甲斐甲斐しく面倒を見て、息子さんは食べているだけ
たまに私を見て「母さん、(私)さんにもお肉とってあげなよ、気が利かない」と文句を言う
教授は何も言わずに酒を飲みながら、その様子を目を細めて眺めていた

あ、マザコンとダメ両親だ、って気づいたら自分でもわけがわからないくらいすーっと気持ちが冷めた

その後、教授から「息子がまた会いたいと言っているんだけど」と声をかけてもらったけど
色々と言い訳して断り続け、就職も全く違う分野に決めてしまって同窓会にも行ってないので
もう教授とは交流もない

今朝郵便受けの中に「○○教授退官記念講演」というお知らせが入っていたのを見て
当時のことを思い出したので書き込み