122 :鬼女の秘密 2013/12/11(水) 18:28:10 ID:lNkwsDgS
ブランドバックの値段を知ったとき。

祖母には娘がいなかったので、遅く生まれた三兄弟末っ子長女の私は、私が自覚できるくらい溺愛されてた。
その次に、東大→一流メーカーの花形部署勤務→アメリカに単身赴任という、分かりやすいエリート街道歩いてた叔父も可愛がられてた。
兄たちと差をつける程、私を甘やかしてたので、私の両親(祖母にとって長男夫婦)とは仲が悪かった。

少々マザコン気味の叔父は、在米中、誕生日とか関係なく、いいのを見つけたからとか言って、よく祖母にカバンをプレゼントしていた。
服とかアクセサリーとか関係なく、何故か毎回カバン。それも、男性.が選ぶせいなのか、大抵祖母の好みに合わない。
祖母は海外ブランドにはまったく興味が無かったし、「売る」=金に困ってする行為、という感覚だった時代の話。
普通はここで、嫁や娘にカバンが流れてくるんだろうが、娘はいない、嫁とは仲が悪い、ということで、孫の私によこしてきた。
(母にどうか、と声をかけたのかもしれないが、だとしたら母は断った)
田舎の小学生なので、服に合わせてカバンを変えることもせず、そもそも、大人向けのカバンは好みに合わない。
家庭科で作ったナップサックと同等の扱いで、汚れがひどくなったり、使わなくなったら処分されていった。

時は過ぎ、就職をして上京。
初めてのボーナスで、自分へのご褒美(笑)を買いに百貨店へ訪れて、祖母からもらったカバンの価値を知ったときは衝撃的だった。

プラダのリュックにぬいぐるみを詰めて山を駆け、プリマクラッセのバックに絵の具を詰め込んでた小学生時代…。
変な人が寄り付いたりしなくてよかったなぁ、と、一人でゾッとした。